- Article written by Manami
タンパク質を征するものは、美を征す。 #009
日本人は「痩せていること」こそ美に直結すると考えがちですが、女性らしいメリハリのついた曲線美や健康的な心は食事が大きく関わっています。今回は、五大栄養素の中でも身体づくりに重要なタンパク質の基本をおさらいしていく記事です。

ミス・ユニバースのファイナリストは、各界のスペシャリストによる外見と内面を強化するレッスンを受けます。
そのレッスン(ビューティーキャンプ)の中でも、「正しい食生活」は美容に欠かせないものとして
自分の食生活を見直し、身体の内側からコンディションを整えることを教えられます。
食べないダイエットや、流行に左右されがちな一時的なダイエットは
むしろ太りやすい身体になってしまったり、リバウンドを繰り返したりと
身体に負担をかけます。
そして、日本人は「痩せていること」こそ美に直結すると考えがちですが
実は世界的な美の基準は、「マチュアなこと」です。
女性らしいメリハリのついた曲線美や健康的な心は食事が大きく関わっていることを覚えておきましょう。
五大栄養素の中でも身体づくりに重要なタンパク質。
「タンパク質は大切だ」となんとなく知っている人もいるかもしれませんが、
なぜ注目されているのか、きちんと説明できる人は案外少ないのではないでしょうか。
今回の記事では、基本的なことをおさらいし、最新の研究に基づきながら、
普段の生活でも役立てられるような情報をシェアしたいと思います。
タンパク質は、身体に最も重要なもの
タンパク質は、英語で「プロテイン」といいます。
プロテインの語源は古代ギリシャの言葉で、「最も重要なもの」という意味からきています。
タンパク質は、水分を除く人体の構成成分比の約50%を占めるほど、文字通り人体にとって必要不可欠で重要なものといえます。
タンパク質は、人気者で忙しい!
タンパク質は、筋肉や内臓、皮膚の主要な構成成分であるだけではありません。
全身のあらゆる機能を正常に働かせ、健康と美を司っています。
タンパク質の主な仕事まとめ
筋肉・髪・爪・内臓・皮膚・骨などの構成成分
身体を守る免疫
吸収した栄養素を分解する酵素
酸素や栄養素を運ぶ血液の成分
血糖値を下げるホルモン
身体を動かすエネルギー
このようにタンパク質は身体のあちこちで働いており、不足すると様々な影響がでる栄養素です。
2種類のタンパク質をバランスよく摂る
動物性タンパク質と植物性タンパク質があります。
動物性タンパク質(肉、魚、乳製品):筋肉や骨などの体格をつくる
植物性タンパク質(豆、大豆、米、野菜、果物):免疫やホルモンなどの体質に影響
それぞれの性質がありますので、お肉を食べていれば大丈夫というわけではありません。
摂取バランスとしては
動物性タンパク質:植物性タンパク質 = 1:1 の比率で食べてほしいところです。
どのくらいの量をとればいいの?
日本人の食事摂取基準によると、タンパク質の1日の推奨量は、
成人男性: 60g
成人女性: 50g
となっていますが、
体重g + 20 g = 1日の必須摂取量 g ともいわれています。
例えば、体重が60kg の方ならば、
60g + 20g = 80g となり、1日80gはタンパク質をとるべきという計算になります。
また、体力仕事の人や妊婦・授乳婦はその計算にさらにプラス20g のタンパク質が必要です。
具体的にピンとこないと思いますので、例を挙げると
牛乳200gあたりのタンパク質の量は約7.6gですので、
80gのタンパク質を牛乳だけで摂ろうとするならば、2,100g という計算です。
こんなにたくさん飲めないですよね。
しかし実際は、1日の中で肉や魚、大豆など他の食材でもタンパク質をとっていますね。
動物性タンパク質:植物性タンパク質 = 1:1 の比率で食べるとすると、
動物性タンパク質:植物性タンパク質 = 40g : 40g
ということになります。
ところが、ここで問題になってくるのは、動物性タンパク質は肉や魚で簡単に40gとれる一方で
現代の日本人の食生活では、植物性タンパク質を40gとるのは至難の業なのです。
よって、動物性タンパク質は十分摂取できているものの、植物性タンパク質は不足気味な傾向にあります。
タンパク質不足で、髪や肌のハリがなくなる?
最近、運動してもなかなか体力がつかなかったり、髪や肌のハリがなくなってきたり、集中力が低下してきたと感じる人は
以下の項目が当てはまっていませんか?
ダイエットで食事を抜いていたり、低カロリーを意識している
偏食する
運動不足
激しいスポーツをしている
多忙
ストレス過多
1つでも当てはまる人は、タンパク質が不足しやすい生活習慣です。
◇ここまでのまとめ◇
タンパク質は身体づくりや健康のために「最も重要なもの」
動物性タンパク質と植物性タンパク質の2種類があり、役割が異なる。動物性タンパク質は「筋肉や骨などの体格をつくる」、植物性タンパク質は「免疫やホルモンなどの体質に影響」
動物性タンパク質の食品は肉、魚、乳製品など。植物性タンパク質の食品は豆、大豆、米、野菜、果物など。
摂取バランスは、動物性タンパク質:植物性タンパク質 = 1:1 の比率でとるのが好ましいが、現代の食生活では植物性タンパク質が不足しがち。
おすすめの量は1日当たり、体重g + 20 g
タンパク質が不足すると、筋肉がつきにくい。美容や集中力にも影響する。
アミノ酸スコアとは?
タンパク質の栄養成績表のようなものです。
タンパク質を構成するアミノ酸は、必須アミノ酸と非必須アミノ酸に区分されています。
アミノ酸スコアとは、食品から摂らなければならない9種類の必須アミノ酸がどれくらい食品に満たされているかを数値化したものです。
100が満点。
タンパク質の合成
人体では必須アミノ酸9種類のうち、最も量の少ないアミノ酸に準じた量のタンパク質が合成されます。
例えば、9種類のうち、8種類のアミノ酸スコアは100とし、1種類を40とします。
アミノ酸スコア100が8種類もあるのだから一見問題ないように思えますが、
なんとタンパク質の合成ではアミノ酸スコアの一番低い40に合わせるのです。
これでは100に達しているアミノ酸が無駄になってしまいます。
つまり、1種類でもスコアが低ければ、十分なタンパク質が合成されませんので
9種類すべてのアミノ酸スコアが100に近い食品をとりましょう。
タンパク質界のエリート食品
タンパク質が豊富かつアミノ酸スコアが高いものは、
大豆、魚、肉、卵、乳製品などです。
その中でも群を抜く良質なタンパク質を含む食品は、大豆です。
一般的に野菜や果物など植物性の食品にはあまりタンパク質が含まれていませんが、
大豆は例外で、約30%以上も含まれている優秀な植物性のタンパク質です。
植物性でありながら、肉や卵と同じくアミノ酸スコアは満点の100です。
一方で肉や乳製品とは違い、低脂肪・低カロリーなのは女性に嬉しいですね。
タンパク質の分解→合成→解毒→排出 の一連の代謝に必要なビタミンB群も豊富で
タンパク質の新陳代謝の効率を高めてくれます。
大豆製品の代表的なものは
豆腐
味噌
きな粉
納豆
油揚げ
がんもどき
などetc...
大豆製品は毎日とるようおすすめします。
大豆の栄養価
日本人の食生活に古くから根付いてきた大豆は、別称「畑の肉」と呼ばれ、栄養価の高さが有名です。
大豆はタンパク質の他にイソフラボンも豊富に含まれています。
イソフラボンは、ほぼ大豆にだけ含まれている成分です。
イソフラボンは化学構造が女性ホルモンと似ており、女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きをします。
ある研究では大豆製品の摂取で乳がんの発症率が下がることや、インスリンの効き目が良くなることが報告されています。
また、大豆に含まれるレシチンには、余分な脂肪の排出を促す働きもあります。
女性にとってプラスの多い大豆ですが
こう聞くと、ついついサプリメントに頼ってしまいたくなりますが、
大豆はビタミンやミネラル、食物繊維も豊富ですし、食欲を抑制して食べ過ぎを防止する効果や、
基礎代謝を上げてダイエットを支えてくれる作用なども期待できるので、大豆や大豆製品としてそのまま食べたい食品です。
◇大豆のまとめ◇
現代の食生活ではとりにくい植物性タンパク質
含有量が30%の高タンパク質
アミノ酸スコアが100
タンパク質の代謝に必要なビタミンBが豊富
ミネラル、食物繊維、イソフラボンなど
低脂肪・低カロリー
脂肪の排出を促すレシチンが豊富でダイエット効果も期待
大豆製品は多岐
大豆レシピも多様
食べ方は、お味噌汁がおすすめ
見た目が鮮やかでオシャレなスープも良いですが、
ヘルシーな母国料理に恵まれている日本人がお味噌汁を積極的に食べないのは非常にもったいないと思います。
ライフスタイルの変化でお味噌汁と合わないパン食が増えたり、自分のためにわざわざお味噌汁を作らない単身世帯が増えました。
一方で最近は、お味噌汁を単なる汁物ではなく、
様々な具材を組み合わせて工夫し、「メインのおかず」にするのが主婦や若い人を中心にブームになっているらしいです。
例えば、トマトベースにナスやお味噌を入れ、チーズをトッピングして洋風アレンジといったように、
ネットでもお味噌を使った多種多様なレシピが載っています。
ちなみに、気になるお味噌の塩分はそれほど気にしなくても大丈夫です。
摂取タイミング
毎日上手に摂り入れましょう。
1度でまとめて摂るよりも、3度の食事で毎度摂る方が効率が良く、特に朝を意識するとよいです。
ちなみに、
筋肉をつけたい人は、運動直後に糖質とセットで摂るとよいです。
あなたの食事にタンパク質は入っていますか?
今は誰もが忙しい時代です。
食事を手早く済ませたい人、忙しい単身世帯や共働き世帯の増加とともに自炊できない人も増加しました。
コンビニエンスストアやスーパーのお惣菜などの調理済みの食品を家で食べる「中食」、
気軽な単品や定食などの「外食」の品ぞろえが豊富になっているからこそ、何を選ぶか目安を自分で持つことが大切だと思います。
食パンに + 豆乳
そば単品に + ゆで卵
おにぎりに + チキンや卵が入ったサラダ
サンドウィッチに + 野菜や豆のスープ
など上手に足し算して、自分のスタイルに合った方法でバランスをとっていきましょう。。